2020/12/29
今年もまた仕事を納め、意気揚々と職場を出る。
今日の帰り道は、2020年のマイベストミュージックを選ぶと決めていた。毎年ひたすら自己満足な発表をSNSにしているだけではありながらも、この作業が楽しい。
いつもチェックしているミュージシャンは勿論、新たにハマった方々もいて。選曲に集中し過ぎて降車を忘れないように気をつけないとなーなんて思いながら、すっかり空いてしまった車内の定位置につきスマホを開いた。
音楽フォルダをスクロールしようとしてすぐに、端末に放り込んだままなんとなく聴けていなかった曲があることに気付く。少し迷ったけれど、再生を始めた。
「逆毛の街に風が吹く ひと撫でしたなら もうじき花が咲くだろう」
彼女が紡ぐ曲はいつも、最初のワンフレーズで引き込まれる。
どんなタイプの曲調であっても、どこまでも突き抜けるキャッチーさと心をキュッと掴まれる切なさを兼ね備えたメロディ。そしてどこを切り取っても耳を傾けたくなる魅力的なギターの音色。
地下鉄の真っ暗な車窓が夕陽に染まるような感覚だった。
フェスでは彼女を観に何度も足を運んだものの、ワンマンライブには一度しか行けていないし、常に動向を追っていたわけではないため多くは語れないけれど、彼女の作品がリリースされたらチェックしていつも心動かされていた身として、この日のことを年内に書き残しておこうと思う。
「ちょっと黒いくらいの青い空がよく似合う」
こんなに美しい歌詞を聴いていなかったのか。年が変わる前に、出会えてよかった。
そして、もっともっとこの先も新しい曲を聴きたかったなあ。
「君の旅がどうか美しくありますように」
pray / 赤い公園
赤い公園「pray」Music Video - YouTube