散らかった六畳間へのメッセージ

好きなことを好きなだけ。

あけたら

最近めっきり音楽雑誌を読まなくなっていたのだが、スキマスイッチファンの友人から今月の音楽と人は絶対に読んだほうがいいとプッシュされたので通販で購入して読んだのですが思った以上に心がえぐられてぼーっとしている…

※以下新曲とインタビュー感想あり、核心のネタバレは避けますががっつり内容書いてます。ちなみに全然推敲しておりません。感じたことを繕わずそのまま残しておこうかなと。→少し書き直しました 8/19

 

 

スキマスイッチが明日8/19にリリースするセレクションアルバム第2弾「スキマノハナタバ~Smile Song Selection~」、その中に新曲「あけたら」を収録した。

先行配信されていたこともあり実は先週ちゃっかり拝聴していた。

緻密なアレンジながら物凄くシンプルなサウンドに仕上がっていて歌詞がダイレクトに耳に入ってくる。小田和正イズムがうまくスキマに染み込んだような感じ。

テーマは、ストレートに受け止めればまさに今の状況のことなのかなあ、との第一印象。しかし何度も出てくる「あけたら」のフレーズに今のことだけでなく色んな意味を含ませているのか、などいつものごとく聴き込みたくなる曲である。しかしそれよりも「あれ、よくわからないけれどなんだか聴いていて…つらい」と思ってしまって。嫌とかでは決してなく(メロディーや展開めっちゃ好みだし)、聴くたびにカロリー消費が凄いので。失恋ソングでもないのに、何故。

その日再生したのち、今日まで寝かせてみることにした。

 

そして、音楽と人がいいタイミングで届いたので記事を読んでからもう一度再生することにした。

 

インタビューではこのご時世ながら出来ることを、とミュージシャンの中でも率先して精力的に活動してきたふたりが自宅で過ごしていた期間についての思いが正直に綴られていたのだが、それのみならず2011年の震災直後の奏(かなで)演奏動画についてやソロ時代について、更にはテレビ番組での役割や自分達の需要についてまで…普段(どういう気持ちで取り組んだのかな)と推察してきたことの答え合わせのようなインタビューだった。


(まずは彼らの活動について常にネタツイートのように色々勝手なことを述べまくっていることを猛省しつつ、以下このインタビューを読み終えた上で今回の新曲「あけたら」の感想を述べる)

 

インタビュー中に「あけたら」はボーカル大橋氏が自宅で過ごしている間に今のことを無理やり記録するように書いた詞曲に鍵盤常田氏がプロデューサー目線で肉付けしていったと明かされているが、これと対になるのが昨年リリースされたスキマノハナタバ第1弾に収録された「ありがとう(Reproduced by 常田真太郎)」。2008年にリリースされた既存の大橋ソロ楽曲をスキマスイッチ名義として生まれ変わらせた。狙っていなかったとは思うがこのような手法がスキマノハナタバで続いているのは興味深い。
(カップリングベストでの伝説のトラック「壊れかけのサイボーグ」も含めれば企画モノで新録する楽曲で大橋氏のパーソナルな部分を常田氏がプロデューサーとして昇華させていく様を何度も見せてくれるのは非常に貴重である)

「あけたら」の歌詞が大橋ソロ時代に近いものがある(意訳)と本人がインタビュー中で述べていて、この曲を聴くことにカロリー消費していた自分に納得した。大橋氏がパーソナルな歌詞を書くときはドラマティックだったりフィクションにはならず彼の心情がよりそのまま現れるので(たいてい内省的というかネガティブ)、ファンとしてドンとパラボラアンテナのように精一杯両手を横に広げ受け止めようと構えるのだがなかなか体力がいる。サラッと流せそうな歌い方で心の中をヤスリで擦っていくような歌詞(伝われ)

 

ソロ時代の傑作「Drunk Monkeys」に収録されている「塊」「記憶」「冷たい世界」を聴いたときと同じようなヒリヒリ感を「あけたら」にも感じたのだが、前者と大幅に違う要素がある。とはいえイメージだけれど。見据える先に光が見えていることだ。
無理やり願いをこめているのかもしれないけれど、彼がひとりで書く歌詞には嘘がない。
あえてストレートに「恋」「希望」というワードを入れてあけたあとの明るい未来がすぐそこにあるような気持ちになれる。自分のために書いた歌詞に、少しでも光を感じられてよかった。何よりこの歌を受け止めてくれるシンタくん(常田氏)がいてよかった。このふたりだから世に出た曲、スキマスイッチがこのふたりで良かったナァ~~~!

 

 

エンターテインメントの最先端に居続けることで時に考えてしまうことがあるのかもしれないけれど。ふたりが、チームが悩み抜きながら発信してくれるアイデアに沢山のファンが救われていることも何かの形で伝えられたらいいな、と思う。あけたら、いやあけるまえでも。